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涼啓前提の涼京?


□幸福の条件



満月夜。
そう、今日は満月の筈なのだが雲が月を隠してしまっているのか、辺りは闇に没していた…。

約束は午前1時。
だが京一の腕に捲かれた時計の短針は、もう既に2時を軽く過ぎようとしている。
漆黒のエボ3の脇に立ち、この煙草が終わったら帰ろう…そう思いつつもう何本目になるのだろうか…。
今度こそ最後と思い、火を付けゆっくりと煙をくゆらせる。
するとその隣に、夜目にも分かるような綺麗に真っ白く磨かれた車が、独特なサウンドを発し滑り込だ。
 もう少しで帰れたのにな…と、京一は薄く思う。

「待たせたな」
ドライバーが降り立つと、大して悪びれた様子もなく告げた。
「それで涼介…何の用だ?」
涼介は問いかけにも答えずに歩み寄って来る…。
ゆっくりと…もう触れ合えるくらいの距離まで…近くに…。
すると京一の手を取り自分の手と重ね、指を絡ませる。

「…京一、手冷たいな」

そのまま手を導き自分の頬に寄せ、その冷たさを味わうかのように暫しの間、その黒真珠のような瞳は閉じられた。
些細な時間なのに、やけに長く感じる…。
微かに口元に笑みを浮かべ、開かれた目線だけで見やる…と、その仕草に僅かに鼓動が跳ねたのを京一は感じていた。
「コーヒー飲むか?」
手を開放すると、反対側で持っていた缶を差し出す。
涼介が一度口を付けたものだろうか、プルタブは既に開けられたいた。
「あっああ」
先ほど捕らわれていた手に残る感触を、今少し残しておきたい思いに駆られる。
そんな思いを心で叱咤すれど、やはり缶を受け取るその手は反対側を差し出してしまう…。
「……」
缶は暖かかった…それともそう感じているだけなのだろうか…。
一口含むとゆっくり飲み込んでゆく。
「で、用件は…?」
その思いを涼介に悟られまいと態と缶を突き返し、次を急かせる。
「京一」
涼介はその缶を受け取らず下に落としてしまう。
スチールとアスファルトがぶつかり、小気味のよい音が2人の間に響く。
「涼介…?」
相変わらず行動が読めない…そう考えていると、ドクンと心音が跳ね上がる。
「……っ…???」
どうした事か、自分の息遣いが遠くで聞こえ、手足が言うこと効かない…外気が熱い筈はないのに大量の汗が流れてくる。

 躰がおかしい…?

京一は分からない感覚に混乱するも、表面では平静を装わないとと、錯綜している心を静めようとする。

「…ふふっ即効性か、効果は覿面らしいな」

すると体調の変化に気づいたのか、悪戯っぽい笑みを浮かべて涼介が呟いた。

「りょっ涼介ー!!!」

その言葉にやっと合点がいったのか、普段聞くこともない悲鳴に近い怒鳴り声を上げる。
「ん?なんだ?」
怒声に臆した様子もなく、あくまでサラリとしている。
京一はその態度に、額にピキッと血管が浮かぶのが分かった。
「お前っ盛りやがったな!!」
威嚇し数歩後ずさる京一を目線で追いつつ。
「貰いモノなんだが用量を聞き忘れてな、仕方なかろう」
さすがに可愛い可愛い俺の啓介に、そんなモン簡単に飲ます訳にはいかんしな。と、告げる。
「…で、何処か痛くなったとか、気分が悪くなったりとかは無いか?」
言いつつ状態をメモしようと内ポケットから手帳を取り出す、その仕草はまるで医者のソレであった。

(しっ仕方な…っっオレは実験台か??!!!!!)

こんな事ならとっとと帰って寝てるんだった!心底、己の未熟さと涼介を呪ってみたりするが、やはり効果は期待できそうもない。
「気分が悪いわっ!!!」
睨みを効かせ吐き捨てる。
だがそんな事は何のその、全くもって効いている様子もない。
いや効くはずもない、だって相手は彗星なのだ。
「ふむ、量は大丈夫なようだな。…にしても、可愛いぞ京一」

 京一撃沈。

滅多な事では拝めない全開スマイル(無敵彗星仕様)で、涼介はつついっと歩み寄ってくる。
しばらく2人の間でついーつついと、逃げたり寄ったりの攻防戦が繰り広げられていた。
そうしているうちにライトが照され、すぐ横を荒々しいスキール音と共に、白くてゴッツイ車が走り去って行く…。
激しい走行に、微かにタイヤの焦げた匂いが鼻を掠める。

「ぎょーいちーーーーーーー!!!」

雄叫びが響き渡った。
過ぎ去ったと思った車は、目標を発見したことにより、4WDで出来るのかは今一つ疑問だが、まあそこは愛の力とゆう事で片を付け、即座に物凄い砂埃と勢いで180度ターンをかまして戻って来る。
180度のターンと言っても何だかプラス30度角くらいで、軌道修正にフラリとしてあまり綺麗なものではなようだが…。
「せっ清次?!!」
己が車をその辺に乗り捨てた清次は一目散に駆け寄り、フラフラしている京一をここぞとばかりに腕の中に収める。
そして精一杯の鋭い眼光で睨みつけ、言い放った。
「てめえ!高橋涼介!!俺の京一に何するつもりだっ!」
いろは猿と五千年くらいは余裕で生きてきた的な白蛇との間で、地球の存亡が掛かってしまうくらいの睨み合いが勃発する。

「…………『オレノ』…ほう…」

だが所詮、猿は猿だった。
涼介の殺気まを含ませた…いや、今一度、大地を氷河期に陥らせんばかりの迫力に、即座にそーっと目を逸らしてしまう…。
勝負は一瞬にして付いてしまった。
「あっいっいや…あのその」
口籠もる、さっきまでの気迫は一体何処へやらだ。
「…フッ、まあいい」
何か自己完結がされたらしい涼介は、
「また会おう京一」
そう言うと踵を返し、FCの元まで行くと走り去ってしまった。後にはオリエンタルな一陣の風を残して…。


一方、抜け殻と化しているいろは猿とボス。
暫しの無言…。
「京一ぃ…」
その間を破ったのは清次だった。
今の事を色々と聞こうとした、だが京一は怪訝そうな顔をして全然違う方向を見ている、全く聞いてないようだ。
(無視かよ?)
少し悲しくなった…、清次が沈みかけていると、京一がいきなり向き直りがなった。

「馬鹿っっ清次っ!!車下がってるぞ!」

その言葉で全てが吹っ飛ぶ。
車と言えば車。
京一のエボ3は直ぐ後ろにある、FCも先ほど走り去って行った。
後に残るは清次のエボ4……。
清次が恐る恐る自分の車に視線を移す…。
すると、緩やかな傾斜になっている道を、ゆっくりではあるが確実に下がって行っている。

「ギャーーーーー!!!」

本日二度目になる雄叫びを上げると、愛機めがけて猛ダッシュを始めた。
一生懸命な清次を他所に、落ち着き終えた京一は
『やっぱり、涼介に係わると人間は不幸になるんだな…』
と、客観的に結論めいた事を考えていた。






京涼なんだか涼京なんだか分らないくて
やっぱり分らんモノを、書いてしまいました!
どうやらのぶのにはこのお二方を動かすのは大変なモヨウ…
つーか清次が出したかっただけだったりして。




その他

上→下、左→右に行くほど新しいです。


【AoT】



【ini D】


▽文(リンクなしはデータ探し中)

「GREEN」R
拓啓

 「RED」涼啓

「幸福の条件」
涼京+清

 「chocolate」
 文←池

「妙義夫婦道」
中慎

▽合作文

「あなたと厚揚げのある風景」
 1 
 2  文×池

▽語ル?

おみや


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