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02年8月に発行した「妙義夫婦道」から。
改行を調整したくらいで手直しはしていません。
読み辛かったらごめんなさい。

原作にはないオリジナルのナメた設定(家族やらなんやら)が出てきます。
お気お付け下さいませ。


□妙義夫婦道



明かりの落とされた部屋に、時を刻む音だけが谺する。どんな人も大抵は床に就いているだろう時間。慎吾も例外なくベッドで布団に包まり、ぐっすりと睡眠を貪っていた。
その時非常識にも、投げうってあった携帯がけたたましく鳴り始めた。無視をしてみても、間を空けずに何度もコールがかかってくる。
持ち主である慎吾は、叩き起こされてか低血圧なのか、鳴り止まない音にイライラが湧いてゆく。
さらに指定着信音に設定してある、美空ひばりの『東京ブギヴギ』が苛立ちを増長させていた。
この着信音は二、三カ月前、中里が意気揚々と勝手に入れたもの。
曰く「俺からだとゆうことが、すぐ分かるように」とのことだった。
だが、おおよそ二十代だと思えぬ選曲に、その場限りで即消しだな、と考えていた慎吾は「折角取ってやったんだからな、消したら俺のRでケツ突くぜ」との考えを見透かされた言葉に(それはオレの専売特許じゃ!!!)と思いつつも、ほんのりと本気だった目にいまだ使用中であった。
頭の復活が終わらないながらも、なんとかベッドから這い出て携帯を拾い、通話ボタンを押して耳元に近づけた。
するとスピーカーから『俺だ』と一言だけ聞こえてくる。
「・・・・・・あぁ?どこの俺様だよ!」
どちらも何も着信音で分かっている筈だが、不機嫌度が最高値ギリギリな為に、普段だったらどうもない事に噛み付いてしまう。
すると、さも当然のように『俺は俺だ。お前の恋人、中里だ』と返答され、慎吾は化石化した。不機嫌は最低まで即降下・・・、今度は生命の値が危機に瀕している。
「・・・・・・・・・んで・・・・・・なに?」
なんとか立ち直り、切りたい思い一杯に用件を聞く。
『朝十時に迎えに行く。用意しとけよ』
その言葉を(・・・じゅーじ?)と頭の中で反呼して、意味もなくちらり時計を伺っい思い立つ。
「ちょっと待てっ毅!」
『うむ。遠出するからな、それなりの用意をしておけ』
既に中里の中では決定事項な事らしい。だが明日はショップにパーツを見に行く予定、愛車をチューンしてやろうと思っているのだ。
「明日は予てっ・・・ー」
言いかけて止まる。スピーカーから聞こえてくるのは終話音・・・。電話はもう切れているらしかった。
一つ溜め息を吐く。
「ったく何だってんだよっっっ!」
そうぼやきながらあまり使用頻度の少ない目覚ましを、いつもだったら絶対に起きないであろう時刻に、携帯のアラームをそれから十分遅れでセットし、もう一度ベッドへ潜り込んだ・・・。



 □ □ □


慎吾は洗面所にいた。もう三十分は立っているだろうか・・・。
その場所からは美空ひばりパレード(鼻歌バージョン)が、途切れることを知らず、風呂場で反響され壮大に響き渡っていた。
今朝はちゃんと目覚まし通りに起きることができた慎吾は、まずシャワーを浴び、母親と姉にお小言を言われながらも、朝とゆう一番忙しい時間帯に洗面台を独占していた。鏡に姿を映し睨めっこをしている、どうやら今日の髪形はイケてないらしいのである。
何度も試行錯誤を重ね、目の端にふと映った姉愛用の高価な整髪剤に興味を引かれる。内容書きには“朝つけて夜まで長時間持続。新成分××× ・・・で美しく。どんな髪形も固くならずに、さらさらキープします。爽やかなフローラルの香り”等と書かれていた。
「・・・・・・・・・」
しばし考え、付けてみようとスプレー缶を振り始めたとき「慎吾まだー?」と、姉が顔を覗かせた。その瞬間、心臓が口から飛び出んばかりに驚き、殺される!・・・と恐怖に身構えたのだが。
「それ、付けてってもいいわよ。毅くんと待ち合わせなんでしょ?早くなさいよ」
案外にも姉は優しかった。
珍しい対応に、ワナか!と、ついぞ思ってしまう。
「いーよ、別に」
そう言って持っていた缶を元の場所に戻すと、辺りに言いようもない・・・殺気にも似たオーラが充満する。
「お黙り、慎吾!後が詰まってんのよっ早くここ使いたいんだから。それ使っていいからとっとと髪形を決めなさいっ!」
優しいと思ったのは、どうやら勘違いだったらしい・・・。唯単に早くどいてほしかっただけのようだ。
ビッとゆう音がせんばかりに人差し指を突きだし告げられ、鬼気とばかりの迫力に気圧されて、慎吾は素直に従うことにする。
用法どおりに適量を掌に出し、髪に絡め整えてゆく。
(おぉっスゲェさらさら?)
慎吾の中で感動が起こる。だが長居はしていられない、自分の後ろで鬼が目を光らせている姿が鏡に映っている。そそっと足早に場を後にした・・・。

部屋に入ると一番に時刻を確認。洗面所で随分と時間を取ってしまったのか、頑張って早目に起きたにもかかわらず、悠長に服を選んでいる時間があまりない。
(でも、久々に明るい時間に会うんだから、それなりに決めていきたいよなー。なんかあったらアレだし・・・・・・)
ドキドキ・・・。とそこまで考えてふと我に返る。
(・・・いやっ別に毅に会うのが楽しみなんかじゃねーよ!出掛けるんならそれなりにだな。・・・・・・つーか、そもそも『なんか』って何だ?!)
服を片手にニヤけたり慌てたり・・・、傍から見ると百面相のようだ。
しばらくはクローゼットとケースを、端々まで引っ繰り返して悩んでいたのだが、どうやら最終的に『あまりめかし込むのは反対に変だ!ナチュラルで行こう!!』で決まったらしい。取り出して身に着けた衣服は、赤い厚めの長袖にカーゴパンツ、そしてその上に一枚軽く羽織るだけ・・・、と一見してシンプル。だが実は、下着に至るまで新品同様の物ばかりであった。
財布や煙草などの必需品をポケットに詰めてゆく、ベッドサイドに置いてあった携帯のディスプレイを点けると、もう十分前・・・。慎吾は慌てて部屋を飛び出した。
「行ってきます!」
途中で「戸は静かに閉めなさい」と、声を掛けられたような気がするが、気に止める事なく玄関の戸を閉め、門まで向かって行った。


「・・・迎えに来るっつったんだから、ここにいりゃいんだよな」

呟きつつ中里のRを探すように、道に沿って視線を流す。
期待で待っている時は長く感じるけど、実際にはほんの些細な時間。耳をすませていると車の音が近付いてくる。
でもそれは大口径のマフラーの発する音ではなかった。車との距離が縮まるにつれ聞こえてくる、重量車の地を這うような低い音・・・。
「・・・近所のおっさん。車、替えたんかな」
少し落胆する。
ついでだから話の種に車種でも見といてやろうと、段々と近付いて来る車をじっと見詰めていてはっとする。
なぜならその車は、常時風で砂埃が舞っている群馬では珍しいくらいに・・・。今まさにディーラーから納品されたか、半年間は持続するワックスをムートンを使用して3日毎で掛け直し、今まで車庫に保管されていたか、と言わんばかりに真っ黒なボディは見事な輝きを放っていた。
(大切にしてんな?・・・)
セダンだろうが軽だろうが奇麗にされている車は、見て気持ちが良いものだ。
その車はどうやら『プレジデント』のようだ。3ナンバー全体の中でも五本の指に入るであろう車種。『プレジデント』内にもランクはある。だが、この車はどっからどう見なくてもきっと一番上のランク・・・。
今まで前から見ていたので分からなかったが、その真っ黒なボディはシルバーのモールで飾られており、ガラスにはスモークが施されている。しかもそれはフロントガラスも例外ではなく、上から十数センチの間でグラデーションが入っていてドライバーの確認が容易ではない。
そして最後の極め付けに、サイドの後ろ端部分に家紋が打ち付けられている。特注品であろうそれは、小さいものだがきちんと自己主張していた。
(これってアッチ系のか・・・?なんでこんな所走ってんだ?)
不思議そうに眺めていると、そのまま目の前を通り過ていった。当たり前だが、自分には関係なかったようだ。
と、そう思ったのは気のせいで、少し進んだところでUターンをして戻って来ると、眼前でファザードを点滅させ停車した。
なぜ止まるっ?!と、しばし硬直。その昔どんなに悪事を働いて肝が据わっている慎吾でも、少しの緊張感を覚える。顔を引きつらせているとパワーウィンドーが下がりだし、より一層固まった。
「悪い慎吾。遅くなった」
だが以外にも、中から掛けられた言葉はよく耳にする人物の声で・・・。
「・・・たっ毅?」
唖然とする。
中から顔を覗かせているのは中里。なんとなく気が抜けた気がする。
でも安心したのもつかの間で、おおよそ似合わないその車に一晩でいきなりVIP趣向になったのかと、絶対に在り得ないだろう疑念がフツフツと浮かんでくる。
「お前、32はどーしたんだよ」
中里はR乗りとゆうイメージしかない為か、普通ならばその車の方をどうたのか聞くべきところ、Rの事を聴いてしまう。
「ああ、車検だったのをすっかり忘れてて・・・。だから急遽、親父の車になっちまったんだ。驚かしてすまないな」
そう言う中里はなぜか悔しそうだ。そのまま慎吾をナビに乗るように促すと、中からドアを開けてくれる。
(親父さんの・・・・・・はースゲェ・・・。父子して日産党か…)
軽くドアに手をかけ乗り込み、遠慮がちにドアを閉めたのはいいが、普段慣れているバケットシートとは全く違うシートの心地に、落ち着かず身じろいでしまう。
「親父さんの車ん乗って来ちまって会社とか平気なのかよ?」
中里が車を発進させ、しばらく経って慎吾はやっとよい位置を見つけたのかモゾモゾしていたのが止み、一つ質問を口にする。
「ああ大丈夫だろ。親父のことだ、一台くらい消えてても気づきゃしない」
そうゆうもんなのか?・・・いやきっと群馬に多い免許を持ってる家族一人に車一台、それと別個で農作業など用に軽トラック一台な家なのだろう。と自分の家がそうなものだから勝手に思い込む。
しかしよくよく考えてみれば、一人一台な家でも自分の車がなくなって気づかない筈はない。どうやらあまり深くは考えなかったようだ。
「なあ、もしかしてお袋さんの車も日産だろ?」
意地悪そうな笑みで中里に百パーセントYesと返ってくる質問を投げかけてみた。
「よく分かったな。フェアレディZだ。・・・なんか、今日は質問が多いな」
最後の言葉に少しカチンときたらしく、態と荒い口調を返す。
「なんだよっメーワクだったかよ!」
フッと某彗星並な、少し・・・いや、かなりかもしれない中里のイメージから離れた笑みを作る。
「いや、嬉しいさ」
彗星を見て研究でもしたんだろうか・・・。だが慎吾は『漢』を感じさせる様な口元の笑みに、思わずドキッ☆としてしまう。
(毅・・・)
だが、慎吾にはもう一つ気になっていることがある。
「・・・・・・もう一つ質問していーか?」
「ああ」
余程、自分に関わりのある事を慎吾に質問されるのが嬉しいとみえて、中里は何でも聞いてくれ状態であった。
「なんか後ろの車、付けて来てるみたいなんだけど…」
サイドミラーをふと覗いたときに気が付いて、何度も確認して振り返って見たりして、右左折しても一定の間隔を取ってずっと後を付けてくる珍しい色の型式の古いブルーバード。
「?・・・・・・ーっ」
中里は前方に注意しながらルームミラーを幾度となく覗き見る。充分に確認してあることに気が付いたのか、軽く舌打ちをすると急にハンドルを切り路肩に駐車した。
「っぅわわ!毅?!」
急ハンドルと急ブレーキに近い止まり方で慎吾はGに逆らえず、引っ張られる躰を何とか支えるようにシートベルトにしがみつく。強引なやり方に、辺りに車が少なかったのがせめてもの幸だった。
「山岡っ!」
ファザードを点滅させると、誰かの名前を叫んで車から飛び出して行ってしまった。
「…はい?」
車内に一人残された慎吾は、とりあえず中里の向かった先に顔を向けてみる。するとブルーバードの運転手と何か話しているようだ。でも話しかけているのは一方的に中里のよう、気になって窓を開けてみる。
「山岡!あれ程付いて来るなと言ったのに」
「ぼっちゃま?」
声はこちらまで届くようでしっかりと話が聞こえてきた。
「はあ?(ぼっちゃま??)」
訳分からん。こうゆう時にする顔がしょっぱい顔と言うのであろうか。 慎吾の頭上は、はてなマークのオンパレードである。
「ももも申し訳ありません」
そうこうしている内に、ブルーバードから細身でビッチリと黒の燕尾服をまとい、口髭を生やし、一糸乱れずに白髪をたくし上げた老人が降り立ち、中里に何度も頭を下げていた。

「・・・・・・」
ここからでは老人ははっきりと見て取れるが、ちょうど中里は背を向ける形で顔は見えない。
「毅ぼっちゃまが晴れの休日にご友人様とお出掛けになるなんて、まっこと珍しい事。じいは・・・じいは心配で・・・つい出過ぎた真似を致しまして・・・・・・」
いつの間にやら取り出したのか、老人は真っ白に洗われたハンカチで目頭を押さえていた・・・。
窺っていた慎吾は、じーんと良い話のような気がしてくる。
「ええいっお前はもう帰れっ!」
だが中里はそう言い放ち、踵を返して戻って来る。その後ろでは「ぼっちゃま?!」と、老人が『待って!待ってあんた?っ』の様なポーズで中里を呼んでいた。

「すまないな」

運転席に乗り込んだ中里は一言謝罪をいれる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・なあ、アレ何?(あのままほっといたら、割腹とかしそうなんだけど・・・)」
慎吾は頭の中のはてなマークを消化させようと、聞くか聞くまいか迷った末になんとなく答えが分かりそうな質問をしてみた。
「ただの執事だ。気にするな」
「へっへえー・・・」
ずばり、ビンゴな答えに思いっきり引く。
(ただって・・・、もンのスッゴク気になるっちゅーに!いやさぁ確かに毅ん家は旧家だって聞いてたんだけど・・・。でも、一般的にあんなんいねえって。・・・なんか違う気がする)
窓の外を見て全く関心がないように装ってみたりしているのだが、疑問を解決しようと思ったのに新なる疑念が生まれてしまったようだ。
「・・・こっこのままずーとドライブなのかよ?」
話題を変えなければと直感的に思い立った慎吾は、ギクシャクと次の話を持ちかけた。
「いや、軽く流して高崎に行く」
先程までの事など忘れたと言わんばかりに、こちらはさらりとしている。
「高崎?」
初めてのデートから前回まで、どちらかというと社会人の中里の時間が合わなかったせいで、今までは近場の碓氷?軽井沢方面だったのだが。
「前に人に連れてってもらった所なんだが、それが中々のもんでな」
そこで一端言葉を区切り少し照れつつ、でも目線をきちんと慎吾に向けて続きを言った。
「ぜひお前を連れてってやりたいと思ったんだ」
「毅・・・」
中里のその表情にほんのりと胸の高まりを感じ、すぐさま顔を逸らす。が、ふと重大なことに気が付いてしまう。
(ってことは!正装じゃなきゃ入れないとか?!やべぇオレいつもの格好して来ちまったじゃねえかっっ!バっカ毅ーっっそうゆうことは早く言えよ!!・・・・・・あっでも毅もいつものカッコウ・・・いや、いつもと同じに見えても何気にアーノルドパーマとかダンヒルとかJPSとかアランデュロンとかクロコダイルとかなのか・・・?どうすんべー!!)
正装とは『公式の場所や場合にかなった正式の服装』とゆうもので、そもそもいくらブランド品で身を包んでいても黒のポロシャツでは入れないと思うのだが、そんなことは己の思考に沈んでいる今の慎吾には関係ないことらしい。


「着いたぞ、慎吾」

悶々と悩んでいた慎吾は、既に駐車場に入ってアイドリングをしていることなど全く気づかなかった。
「あっああ」
名前を呼ばれ思考から出てきたはいいが、まだどうしようか決めていなかった。もっと早く我に返っていれば予定変更も出来たのに!と自分を心で叱咤してみる。
中里が折角連れて来てくれたのに、トンボ返りをさせる訳にもいかない・・・。意を決したように顔を上げると、目に映った建物はそれは凄いものだった。
「ってココ・・・居酒屋??」
暖簾の色もかなり褪せ、築何十年なんだこりゃ?と言いたくなるような古びた店。きっと常連客のみで商っているのだろう・・・と、思わせる雰囲気だった。
「どうだ、見た目もレトロでいいだろう」
冗談だと思ったのだが中里の楽しそうな様子を見ると、どうやら本当に目的地は此処らしい。
「・・・・・・」
なんだかギャップがあり過ぎて気が抜けてしまう。もう呆然としか表現の仕様がなかった。
「?、どうした?」
さくさくと車から降りた中里を追うようにして慎吾も降り立ったが、何の反応も返さない慎吾に不安を覚えたのか聞いてくる。
「何でもない・・・」
目線を配り、小声でそう呟くと
「入ろうぜ。ここのモツ煮は絶品なんだ、お前も気に入ってくれると思う。地酒も飲めるぞ」
『酒』とゆう言葉に反応しない慎吾に、今度こそかなりの不安を抱いたのか眉根を寄せる。
「気に入らないか?慎吾・・・」
「えっ?んな事ねーよ(どっちかっつーとこっちのがいいし・・・)」
まだ入ってもいないのに気に入った気に入らないもない。むしろ短時間に驚くことが重なって、唯単に少々疲れを感じていただけなのだが。
「そうか!なら良かった」
ニコッとか、ぱああっとか擬音が付きそうなくらいの眩しい中里の笑い顔。
「毅・・・」
今日何度目かの胸のトキメキを感じ、またそれを隠すように態とそっぽを向いて一言。恐ろしい・・・でも、確かな真実を言ってのけた。
「・・・でも、フツー居酒屋って夕方から営業じゃねーの?」
ただ今の時間、お昼をちょっと回るか回らないか程度。その言葉に中里の目はまさに点になり、真冬に冷たい山おろしの暴風が二人の間を駆け抜けて行った。
「・・・・・・・・・」
気まずいような微妙な空気が、人っ子一人見当たらない二人と一台きりの狭い駐車場に流れる。
確かめるように中里が店の入り口に目を向けると、無情にも『ただ今準備中』と毛筆で書かれた、これもまた長く使っているだろうと思わせる札が掛けられていて・・・。
「しまったーーーーーー!!」
この時の彼の背後からはoh NO!!と書かれたオーラが一気に爆発炎上したに違いない。
「・・・すまない、慎吾」
一度連れて来てもらった時すぐさま気に入って、慎吾をここに案内したいと思って一人で足を運んだりしてなんとか道を覚えて・・・。自分が行ける時間帯は、会社が終わってからなものだから店が開いてない時はなくって、だから全くもって店の開店時間とゆうモノを念頭においてなかった。
しおらしく謝った中里を見て慎吾が大笑いをはじめた。小さくなって背中に暗いモヤを背負い謝罪する様子が、なんだかいつもと変わらずの中里の姿に映ったのだろう。
中里が目線で(なぜ笑う?)と問いかけてくる。
「いいって、気にすんなよ」
笑いを一生懸命こらえ、。
「今日いちんち時間あんだろ?これから昼飯食い行って、ドライブでもして開店するまでヒマ潰そうぜ」
「でも・・・」と反論を言い出しそうな隙を与えずに今度は打って変わった晴れな、滅多に見られないような笑顔で中里に言葉をかける。
「うわわっ!たっ毅?!」
前開モード、ナイス☆スマイルに見事、ノックアウトされてしまった中里は弾かれるように近寄り、そのまま力いっぱい抱きついた。
「いでででっっ!折れるっつーにっ!!」
こんの馬鹿力がっっ!と、中里の頭に拳骨を一つ、かなりの力を入れて落としてやる。すると僅かばかりの間、弱まりその隙にスルリと腕から抜け出て、一直線に車のナビ席に向かった。
「無論、奢りだろ?」
ドアを開け、片手で頭を摩りながら運転席のドアに手をかけ、開けようとしている中里にそう言うと。ニッと笑って返してきた。

「当たり前だ」






イマイチだ。ごめん。ほんとに。
執事と言ったら山岡(@ペルソナ)ですよ。




その他

上→下、左→右に行くほど新しいです。


【AoT】



【ini D】


▽文(リンクなしはデータ探し中)

「GREEN」R
拓啓

 「RED」涼啓

「幸福の条件」
涼京+清

 「chocolate」
 文←池

「妙義夫婦道」
中慎

▽合作文

「あなたと厚揚げのある風景」
 1 
 2  文×池

▽語ル?

おみや


【他】



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